受験生のみなさま

先輩の声

2001年度卒業

松岡 理恵さん

就職先 (株)エフエム石川
現在は独立してフリーアナウンサーとなり、
ラジオパーソナリティー画家として活動。

石川県立金沢桜丘高校 出身

Q1 現在、どのような仕事をしていますか?
ラジオパーソナリティ画家として、ラジオとアートを仕事にしています。
フリーアナウンサーとしては、ラジオ番組や朗読会への出演、CMのナレーター、イベント司会、話し方教室をしています。

また、ラジオとアートを活かしたまちづくり活動をしています。金沢学生のまち市民交流館でコーディネーターとして、コミュニケーションに悩む学生に無料相談を行っています。また、地元金沢のまちづくりに関わるプロジェクト(金沢市男女参画審議会や近江町市場周辺の商店街むさしSDGsプロジェクト実行委員会)の活動も行っています。
画家としては個展やアートイベントを主催。九谷焼とのコラボや金沢市工芸展の審査員を務めるなど、伝統工芸の魅力発信に力を入れています。
Q2 大学ではどのような勉強・研究を行っていたか? 現在のキャリアに活かされていることは?
大学では国際公共経済学について学びました。「途上国の人々がどのような社会になれば幸せになれるのか」「戦争のない世界をどうしたら作れるのか」について、先生やゼミの仲間と議論するのが楽しみでした。途上国が先進国を成功事例として経済成長ばかりを重視した政策をすれば、環境汚染や格差社会につながる可能性が高く、新たな第三の道について議論を重ねていました。この経験はアナウンサーとして国際的なニュースを伝える際に役立ちました。また、ゼミでは本音で人と対話する面白さを学びました。同じ人間であっても、生まれた環境や性格によって考え方はまるで違い、人それぞれ独自の魅力があることを実感しました。この経験が、アナウンサーとなって、ミュージシャンや俳優、起業家、クリエイターなど、多種多様な才能の持ち主にインタビューしたいという思いにつながりました。
現在はまちづくり活動にも携わっていて、地域の高齢化や商店街の空き店舗問題、コロナ禍のビジネスのあり方について常に考えています。まちづくりにおける課題は正解がなく、頭を悩ますことが多いですが、学生時代に世界平和という人類の永遠の課題について探求したことが、地域の身近な課題に向き合う力をくれたように思います。地球規模の課題に比べれば、自分が住む地域の問題は小さく感じられます。また、こうした問いはSDGsの取り組みと重なる部分が大きく、学生時代から途上国問題について考えた日々を懐かしくありがたく思い返します。そして、自分が生きているうちにSDGsの取り組みによって、途上国や世界平和の問題に解決の糸口が見つかる瞬間に立ち会えることを期待しています。
Q3 勉強以外の大学時代の思い出は? 現在のキャリアに活かされていることは?
自称で構わないので「漫画評論家」に言えるぐらいに漫画に詳しくなりたいと思い、恋愛、SF、ファンタジー、青年漫画など、様々なジャンルの漫画や、漫画史に残る過去の名作を読み漁りました。時間がある学生時代だからこそできたことですし、若い頃に素晴らしい作品に感動した経験は一生の財産だと感じています。大好きな作品は心の親友のような存在となり、この作品を読むために生きているという「生きる意味」を与えてくれました。図書館にあった黒澤明監督作品を中心に、日本の名作映画もたくさん鑑賞しました。ラジオもよく聞き、洋楽、邦楽問わず、色んなジャンルの音楽を好きになりました。特に漫画から斬新なアイデアや飽きさせない展開を吸収できたことが、ラジオパーソナリティーとしての番組作りやアート活動、まちづくりイベントのプロデュースにつながっています。ラジオ番組や音楽フェスで、個性的なミュージシャンにインタビューする時には、漫画で色んなキャラクターや世界観にふれた経験が強みとなりました。漫画や映画の知識は、アナウンサーとしてクリエイターが表現したい世界にせまるインタビューするために必要であり、画家としてアート活動をする上では創造の源泉となっています。純粋になんでも吸収できる学生時代に、素晴らしい音楽、映画、本とたくさん出会えてよかったです。
 また、経済学以外の先生の専門分野に関する講義を受けたくて、ちがう学部の先生の無料学生相談に行ったり、授業を受けたりしました。また、色んな人と出会うために、様々なジャンルの職種のアルバイトをしたことは私の小さな武勇伝になっています。
Q4 高校生に向けて一言
自然豊かな金沢大学で、全国から集まってきた学生とぜひ青春を謳歌してください。観光地としても人気の金沢は、文化の香りがする街です。学生ならではの感性で街にくりだして、たくさんの素敵な出会いをつかんでください。