金沢大学主催語学研修に参加して(カナダ)
海外体験期間 | 国 | 主な活動 |
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2012年9月(3週間) | カナダ | ユーコンカレッジ 語学研修 |
私は、2年生の9月に、金沢大学の語学研修を利用して、カナダの北西部にある人口約2万3000人のホワイトホースという町にあるユーコンカレッジで3週間の語学研修を行いました。本プログラムは、金沢大学生であれば誰でも参加可能でき、費用はおよそ44万円(移動費(金沢⇒ホワイトホース、ホワイトホース⇒金沢)、ホームステイ料(三週間、三食付)、授業料その他)でした。大学が行うプログラムなので航空チケットの予約は大学生協が行ってくださいましたが、ホームステイ先の選択などは与えられたオプションの中から自分自身でしました。このとき、ホームステイに関して質問があるときには直接ホストファミリーに連絡を取り、渡航当日も学生のみで先生は同行せずに自分たちだけの力で登場手続きを済ませ飛行機に乗り、入国審査も一人だったので最初は緊張した記憶があります。私が参加した語学研修プログラムは英語の勉強とカナダの文化体験が中心でした。カナダの文化については渡航前に事前に先住民の話を英語で読む課題があり、カナダに着いてからは文化体験としてウサギやムースという動物の皮とビーズを使ってミトン作りをしました。英語の授業は月曜日から金曜日まで毎日あり、英語の勉強、文化体験ができる満足のいく語学研修プログラムでした。
私はもともと英語が好きで、高校在学中の頃から授業とは別に英検などの資格取得に力をいれたりしていました。しかしそれが本当に役に立つのか、実際、外国の人に伝わる能力がついてきているのかという不安が常に心のどこかにありました。金沢大学には半年から1年間海外へ行き、語学だけでなく専門分野についても学ぶ派遣留学という制度もあるのですが、1年生の時に応募して、結果、思い叶わずとなってからは自分の語学力の乏しさを突き付けられたみたいで、英語を好きで勉強しているという感情が失われていくのを感じました。さらに外国語を話すときに文法を間違えてないのか、正しい発音で話せているのかなど失敗するのが怖くて、話すことに対して逃げている自分に気づくようにもなりました。それが英語を使う機会を少なくし、悪循環となり、いつの間にか好きだった英語から逃げたいと思うようになっていました。しかしこれで英語を勉強することをあきらめるのは今までの英語に対する努力を否定することにつながります。そこで私は悩んでいるのが嫌でまず行動してみようと思い語学研修に参加することにしました。悪循環から脱し、英語に対する気持ちを再び楽しいものに改善しようと考えました。
海外へ行ったからといってすぐに気持ちが切り替わるわけでも当然なく、カナダに到着した最初のころは、英語を話すことに対して臆病な気持ちがまだ残っており、なかなか自分から率先して物事を進めることができませんでした。その気持ちを変化させたのは、ホストファミリーとの生活でした。ホストファミリーは仕事があるにもかかわらず私のためにたくさんの時間を作ってくれて、わからないことがあった場合でも丁寧にゆっくり説明してくれました。また私がしたいといったことを実現させるための努力を惜しまずにしてくれました。このようにホストファミリーが私のために行動してくれているにも関わらず、私一人が不安に思うことや臆病でいることがとても小さなことだと気づき、徐々にマイナスに考えることはなくなっていきました。その後からは話さずに黙るより、話して間違えた方が自分のためになることを実感し、英語を話すことに対する不安や恥ずかしさは消えていきました。この研修で私の英語に対する気持ちを大きく改善させたのはホストファミリーとの生活でした。
他方、研修では、英語を聞くことの難しさを実感しました。普段ホストファミリーや大学の先生は英語をよく理解できない人に話すことに慣れているので比較的聞きやすい英語を話してくれていたのに対し、地元の子供たちやスーパーの従業員は会話が速く聞き取れないことがありました。他にもバスの運転手に言われたことが聞き取れず最終的にあきれられたことも一度あり、その時のショックは今でも忘れることができません。
日本に戻り、私の英語に対する恥ずかしさや躊躇といった感情はなくなりましたが、同時に英語を聞く難しさが一番大きな課題として残りました。大体の内容はその場の状況や聞き取れた単語から判断できるのですが、いきなり言われた事や話の予測が全くできない状況においては曖昧に聞き取った会話だけでは理解不十分となり会話が成立しなくなります。このように、語学研修を通じて、相手が言っていることをより正確に理解する課題の発見もできました。また幸いなことに、この研修で改善されたのは英語に対する気持ちだけでなく、些細なことでも恥ずかしがらずに聞ける態度に改善されました。
このように語学研修前は英語に対して臆病だった私でも、語学研修後は英語に対する嫌な感情をなくすことができ、これに加えて少しの事では落ち込まない精神力やこれから英語を勉強するうえでの課題を発見できました。
最後に、カナダのホワイトホースという町は日本のような忙しい都市型の生活環境とは正反対の価値観を共感できる場でありました。カヌー体験やカナダの野生動物との遭遇、夜には運が良ければオーロラなども見ることができます。どれも日本ではなかなか体験できることではないので、そういった自然体験などを勉強しながら経験してみたい方に、ユーコンカレッジでの語学研修は良いと思います。