現代経済理論ゼミ

教員名 瀬尾 崇
研究テーマ 1.現代の資本制経済における競争論の理論的・制度論的研究
2.技術革新を軸とした資本制経済の動態プロセスの理論的/実証的研究
E-mail t-seo@staff.kanazawa-u.ac.jp

ゼミの紹介

「現代経済理論」という名称は非常にざっくりして分かりにくいものになっていますが,現代の資本制経済システムを分析するための理論研究の動向を知ること,そのうえで各自の問題意識に適用して実際に分析することを目標とするゼミです.

資本制経済システムを独自の分析枠組みできわめて詳細に考察した代表格は何といってもマルクスでしょう.20世紀末,マルクスおよびマルクス経済学はその有効性を失ったと一般的にみなされました.しかし,昨今の金融危機においてマルクスは再び注目を浴びています.このように現代の資本制経済を読み解くうえでマルクスは生き続けているのです.ただし,資本制経済システムそのものが歴史を通じて変化しつづけており,理論研究もそれに対応して蓄積されてきました.マルクス派の経済学も,現在では「社会経済学」や「政治経済学」などと名称を変え,従来の分析枠組みにしばられず,ケインズ派,制度学派,進化論的アプローチといったさまざまな要素を取り入れながら,理論的な再構成を目指しています.

このような多様な方向で理論的再構成を目指している現代経済理論(社会経済学・政治経済学)に対して,このゼミでは特に「制度」,「ポスト・ケインズ派」・「イノベーションを通じた動態プロセス」の3つを主要テーマとして設定し,主要文献の輪読および個人研究報告によってゼミを進めていきます(3年次).そして,各自の問題意識が固めたうえで,4年次では卒業研究に取り組むことになります.1年かけて内容のあるしっかりした卒論に仕上げるために,何をどのタイミングでいつまでに完了するかといった計画的な執筆プロセスも身につけてください.

ゼミでは,理論研究の最近の動向を扱いますので,マルクス,ケインズ,シュンペーターなどの文献に関する理解も必要となります.したがって,希望があれば参加者と相談のうえで,古典を読んだり,必要となる数学などの分析ツールを習得したりするためのサブゼミを設けることも考えています.やる気のある参加者の熱意にはしっかり応えていきます.

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