中国から日本、そして世界へ(ASEAN Youth Summit タイ、韓国、日本)

海外体験期間 主な活動
2010年4月から2014年3月 日本 金沢大学 大学教育
2013年5月(2週間) タイ チェンマイ大学中心に ASEAN+3 Water Summit
2013年7月(1週間) 韓国 コリアン大学 Youth Water Parliament

 私は歴史が好きです、中学の時から、なぜ中国の戊戌の変法(1898年、清王朝の時代に、明治維新の影響を受けた中国の若いエリート達がおこなった政治改革運動)は失敗したが、日本の明治維新は成功したのかを考えていました。日本のことをより理解したいと考え、高校卒業後すぐに北陸大学の留学生別科に進学し、翌年、金沢大学に入学しました。来日して4年が経ちましたが、日本で過ごす時間が長くなるにつれて、先に先進国グループの仲間入りを果たした日本が様々な面において中国の見本に値すると感じるようになりました。

 たとえば、経済という言葉は昔から中国にもありましたが、英語の「economy」の日本語訳として、「経世済民」という言葉から「経済」を充てたのは日本でした。他人の長所を学んで進化し、そして自分のものにするという姿勢は日本の成功の要因でしょう。一方、中国は大国意識が非常に高いため、日本ほど積極的に他人の長所を見つけて学ぶことがなく、結局、日本より遅れてしまいました。

日本 「子曰わく、敏にして学を好み、下問を恥じず、是を以てこれを文というなり」。国家のみならず、個人においても同じことがいえます。我々は積極的に外の世界を知り、自身の能力を高めようとしないと他人に抜かれてしまいます。先日、タイで開かれたASEAN+3 Water Summitに参加しました。その時に、一人のミャンマー留学生と知り合いました。彼女はタイに留学しており、定期的にミャンマー政府に自分の行動について報告する義務があります。彼女の故郷はミャンマーと中国の国境にある政府と対立する少数民族の小さな村になります。そうしたデリケートな環境下で育った子供たちは、華人ではないにも関わらず、朝8時から17時までの一般教育に加えて、朝5時から7時まで、そして18時から22時まで中国教育を自発的に受けているということです。つまり、グローバル化とは、このように必死に努力している人たちと対等に競争したり、協力したりすることになります。我々もこうして頑張っている彼等に負けにならないように、そして認められるように、自分自身を磨いていかなければなりません。

 似たような思いを持って、私は金沢大学で経済学を学んできました。

 もっとも効率化を求めて、グローバリゼーションは広がってきましたが、その結果、過剰競争や環境汚染などの問題が発生しています。多くの国は目の前の利益に目がくらみ、経済成長志向の泥沼から脱出できなくなりました。日本もある程度その成長病を抱え、国内の産業空洞化や地方の過疎化などの問題は深刻になっています。これに対して、金沢は地域文化に誇りをもっており、理論だけではなく地域経済やコミュニティー作りなどについても勉強することができます。そして、金沢大学はグローバル教育を展開しつつ、地元に根付き、地域興しに力を入れています。それは、ものづくりが盛んに行われ、中小企業が多い北陸地方にある金沢大学の魅力だと思います。さらに、金沢大学は地方の企業や個人と緊密な関係を維持しているため、学生たちがそれを利用させてもらう機会も多いです。私も地元の農家で学んだり、地方銀行でインターンシップに行ったりすることができました。成長志向の中国で育ってきた私にとって、新鮮な価値観を得る機会となりました。このように、グローバリズム+ローカルリズムの感覚を同時に育てられるのは金沢大学ならではの魅力と私は感じます。現在中国の経済成長は減速しており、内需を重視し始めました。したがって、もうかつての日本の成長戦略や科学技術ばかりに注目するのではなく、こうした日本の地方で観察される地域密着型ノウハウを学ぶべきです。私が金沢大学で学んできたことは、今後、中国でも役に立つと信じています。

 先述のASEAN+3 Water Summitは、2011年にタイで発生した洪水問題をきっかけに、アジア全体の水に関する防災・管理をテーマに掲げた会議でした。これは、次世代の若手リーダーを養成するために、アジア開発銀行(ADB)の支援の下で立ち上げられた組織ASEAN+3 Youth Leaders for Waterが実行委員会を務めております。私はインターネットでその情報を得て、東南アジアの実態を知りたいと思い、申し込みして中国代表に選ばれました。ASEAN+3 Water Summitでは、東南アジア各国の若者代表と一緒に議論をしたり、ワークショップをしたりしました。水に関する知識を得たことは勿論ですが、最も驚かされたのは東南アジア各国の若者の努力の大きさでした。Water Summit自体は政府が運営していますが、我々は政府に招かれたわけではなく、むしろ活動の主体として行動しました。それぞれは異なる国籍を持っていますが、東南アジアの明るい未来作りという同じの目標の下に集まりました。ADBやタイ政府から支援を受け、チェンマイ大学の教授に講演やフィールドワーク指導を頼み、タイの国家天文台訪問に至るまで、全て学生と一人のファシリテーターで実行しました。ベトナム代表の16歳の女性が、ADBのオフィサーや専門家の前で自分のアクションプランを恐れずに堂々と発表する姿に私の心は打たれました。このような若者の姿を見て、アセアンの未来に希望が満ち溢れていることを確信しました。こうした経験を通じて、グローバル人材のあるべき姿というものが、私の頭の中でより具現化していきました。

 タイの活動に引き続き、2013年7月に、韓国で開催されたYouth Water Parliamentにも出席しました。この時も、韓国の学生さんの行動力の高さに感心しました。接してきた韓国人学生のほとんどが留学経験者でした。アメリカ在学中の身でありながら、この活動に参加するために帰国した学生もいました。このように積極的な学生が沢山いますから、韓国は著しい成長を成し遂げたでしょう。

 現在、飛躍するアジアは世界から注目を集めています。そしてその背後にある若者の向上心を忘れてはいけません。この向上心は日本の成功の原動力でもありました。昔、国禁を犯してまでも留学を決意した幕末志士たちはこの向上心を持っていたでしょう、この精神は、グローバル化に伴って新たなチャレンジが続々出てくる現在においては一層大切にすべきです。多くの人は努力しないわけではなく、単に周りに刺激がないため、目の前の環境に怠けてしまうと私は思います。留学することは新しい刺激を探すことです。新しい出会いによって、自分に潜んでいる可能性を引き出していくことができます。金沢大学は様々な留学支援制度が充実しています。多くの人にうまく利用してもらい、日本の更なる発展に繋がることを期待します。ASEAN+3 Water Summit の様子については、下記の動画をご覧ください。(Z.R. 4年)

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